2014年度から2021年度にかけてリニューアルが行われ、現在は全98両が活躍する小田急の1000形。
各年度に12両程度と、スローペースでのリニューアルとなりましたが、その分充実した内容での施工となっています。

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現在リニューアルが進められている3000形とは異なり、内装も一新した1000形でしたが、集大成ともいえる内容にはどんな狙いがあったのでしょうか。

混雑時にも過ごしやすい空間

リニューアル後の1000形は、あたたかさの中に爽やかさがある、そんな内装に仕上がっていると感じます。
小田急の基本となった暖色系を基本にしつつ、寒色系とまではいえない要素を盛り込み、上手に融合させたものだと、登場時は驚いたことを思い出します。

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1000形だけに採用された要素はいくつかありますが、天井の部分にある青い曲線のラインもその一つです。
これはそよ風をイメージしたもので、混雑した車内で過ごす際に視線が届きやすいということで、天井部分に描かれました。

天井だけではなく、床にも進行方向の模様が描かれており、これは葉をモチーフとしているそうです。
表現したのは木漏れ日で、森と風を感じる空間とされました。
結果論なのかもしれませんが、箱根登山線を走るようになった編成においても、このコンセプトは合っていたのかもしれません。

内装のベースはベージュ系とされ、ドア部分は3000形と同様に異なる配色となっています。
このドアには森の入口という役割があり、それを印象付けるためにこのようなデザインとされました。

随所に見られる細かい工夫

目立たない部分においても、リニューアルでは細かい工夫が施されました。
身近な部分では、座席における1人あたりの幅が拡大されており、440mmから453mmとなっています。

1000形ならではの部分では、床に設けられたステンレスの板が目立ちます。
これは飾りというわけではなく、傘や杖の先端が引っかかるようになっており、地味ながら嬉しい改良だったのですが、残念ながら他形式には波及しませんでした。

ドアの化粧板にも工夫があり、壁面とは異なるマット地が使われています。
単なるデザインだと思っていましたが、ビニール等が密着しにくいようにすることで、引き込まれるのを防止する狙いがあるそうで、これもまた混雑時を想定しての採用だったようです。

内装を一新しただけあって、新車と同じレベルまでの工夫が行われているのが、1000形の特徴といえます。
つり革は丸型のままとなっていますが、急ブレーキの際等につかまりやすくするためだそうで、明確な意図があってのことでした。

おわりに

小田急の通勤型車両におけるリニューアルでは、最も充実した内装になったといえる1000形。
その分長く使うことを想定していたのかもしれませんが、中途半端に終わってしまったのは、少々残念な結果だったように思います。