近年の小田急としては、比較的規模の大きいものとなった2025年のダイヤ改正。
その反動なのか、2026年は修正に近い内容となっており、改正前と大きくは変わらない見込みです。

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2025年のダイヤ改正において、現状で対応できることは盛り込んだ面がありそうですが、どのような狙いがあったのかを振り返りたいと思います。

3年ぶりだった2025年のダイヤ改正

複々線の完成により、小田急は全線に渡ってかなり攻めたダイヤを設定し、利便性の向上や混雑の緩和を図りました。
日中を中心として、複々線区間内では空気を運ぶような列車もありましたが、完成したインフラを最大限活用するという意思を感じたものです。

まさにこれからというところでしたが、複々線の完成から2年程度でコロナ禍に突入することとなり、小田急にとっては不運としかいえないような展開となってしまいました。
人の移動は一気に少なくなり、一時期は複々線がいらないのではないかというぐらい、利用率は落ち込んでしまいます。

空いた状態での運行を継続していれば、利用者にとっては快適ではあるものの、それは小田急の利益を圧迫することを意味していました。
いつまでも続けることはできないため、2022年にダイヤを大幅に変更し、利益水準の回復を図ることとなります。
複々線化後に過剰な輸送力だった部分も含め、一定のダウンサイジングが図られました。

2023年、2024年とダイヤは修正が続きましたが、9割程度までは利用状況が改善してきたことから、2025年にダイヤ改正が行われることとなります。
しかし、利益水準を大きく下げるようなダイヤ改正は本末転倒であり、そういった制約の中で考えれらたものとなりました。

2025年のダイヤ改正における狙い

比較的好評な声が多いと感じた2025年のダイヤ改正ですが、利用者目線での改善を図りつつ、利益の水準を下げないように組まれています。
6両編成の急行が残る等、一部には不満の声もありますが、現状の設備で一定の利益を確保するために、必要悪として存在している面もあるようです。

利用者目線での改善としては、千代田線との直通列車を多摩線に流し、向ヶ丘遊園駅から新百合ヶ丘駅間の急行を確保しました。
輸送力が過剰とならないよう、同時に多摩線内の全駅を急行停車駅とし、線内折り返しの各駅停車をその分削減しています。
ダイヤ改正前の日中は、急行の半分が向ヶ丘遊園駅で折り返してしまい、かなり使いにくい状態でしたが、上手く改善したように思いました。

夕方以降のラッシュ時についても、利用が特定の列車に集中しやすいという課題に対して、千代田線からの直通列車を活用して改善が行われています。
具体的には、準急の停車駅に喜多見駅と和泉多摩川駅を追加し、他の列車への乗り換えを抑制しました。
また、一部を急行化して伊勢原駅まで走らせることで、快速急行への乗り換えも防いでいます。

2026年のダイヤ改正にも通じますが、利益の確保はロマンスカーで主に行われました。
運転区間の延長、停車駅や両数の見直しを徹底することで、乗車率を最大化する取り組みが行われています。
かなり細かくチューニングしているようで、多くの苦労があるのでしょうね。

おわりに

停車駅が整理されたことで、2025年のダイヤ改正以降は、多発していた種別の変更も大幅に減少しました。
残る課題としては、6両編成の急行をどうするかぐらいといえそうですが、本数を増やさずに輸送力を増強するのは難しく、頭が痛い問題といえそうです。