江ノ電で最古参の車両として、現在も1編成が現役で活躍している300形。
アイコンとして江ノ電の顔ともいえる存在であり、観光客にも人気の車両となっています。

近代化が進む中で、僅かに1編成だけが活躍を続ける300形ですが、現役の305Fはなぜ残ったのでしょうか。

最盛期は6編成が在籍した300形

緑色の車体が印象的で、昔ながらの江ノ電を今日に伝える300形は、1956年に登場しました。
最盛期には6編成が在籍しており、江ノ電の中では多数派だった時期もあります。

20260121_03

現代においては、第5編成である305Fのみが残っており、他の形式と混ざって活躍中です。
他の車両と繋いだ4両編成での運行が基本で、近代的なスタイルの車両とのミスマッチが楽しめます。

1編成だけになったため分かりにくいですが、300形は他の車両から台枠等を流用した改造車で、編成によって形態が大きく異なるのが特徴でした。
種車が異なることによって生じたものですが、別形式のように違うケースもあれば、類似の形態をする編成もあり、改造車ならではのバリエーションを楽しめる車両となっています。

細かい改造を行いつつも、300形は1991年から廃車が始まり、2008年までに5編成が姿を消すこととなりました。
早期に廃車となった編成以外は、車体を近代化するといった改造を行いながら使われましたが、断続的に置き換えが進められた結果、最終的に305Fのみが残る状態となっています。

305Fが残ることができた背景

2008年に303Fが廃車になって以降、18年近くも305Fだけが残っていますが、それはなぜなのでしょうか。
新形式である700形のデビューが近付きつつありますが、置き換え対象は1000形とされており、廃車順序の逆転現象も生じる見込みです。

前提として、305Fにはアイコンとしての価値があるわけですが、残ることができたのには他の理由もあります。
いくつかの要素が組み合わさった結果ですが、それらを見ていきたいと思います。

まず、改造車であった300形において、305Fが最も新造車に近かったという前提がありました。
台枠だけは京王の車両から流用していますが、その他は全て新造しているため、車体に無理が生じていないという面があるようです。

1000形や2000形が登場する中で、300形の一部は置き換えが進められていきましたが、305Fを含めた一部の車両については、台車とモーターの交換を行い近代化されました。
この改造により、元々は吊り掛け駆動だった305Fはカルダン駆動となり、その点においては1000形の一部よりも近代的な車両になっています。
その他にも、冷房化や車体の更新が行われており、懐かしいスタイルを残しつつも手が入れられました。

20260121_07

レトロな運転台からは分かりにくいですが、305Fは1998年に電気指令式ブレーキに改造されており、これによって併結できる車両が一気に増加しました。
運用上の制約が外れたことで、1編成だけになっても混在が可能となっているのです。

おわりに

ほぼ新造という車体を活かし、足回りを近代化して運用上の制約をなくしたことで、305Fは今日まで残ることができています。
300形の置き換えは決まっていませんが、処遇については検討していくことになるようで、楽しむなら今のうちかもしれませんね。