1957年に登場した3000形以降、形式ごとに愛称を設定するようになった小田急のロマンスカー。
30000形を除き、共通して「SE」を含む愛称が設定されており、最新のGSEまで続いています。

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アルファベットの省略形で示される各愛称には、車両のコンセプトにも通じる意味が込められていますが、それぞれどのようなものなのでしょうか。

3000形から20000形までの愛称

ロマンスカーの基礎になったともいえる3000形に対して、小田急はSuper Expressという愛称を設定しました。
略称としてはSEと呼ばれ、一般的にはこちらのほうが浸透しているかもしれません。

SEの愛称を日本語訳すると超特急になりますが、画期的で高性能な特急用車両を目指していたこともあり、このようになったものと思われます。
続いて登場した3100形については、New Super Expressとされており、ここまではコンセプトに繋がるような意味は弱かったといえそうです。
2形式での愛称設定であり、その後も伝統として続くようなことは考えていなかったのでしょう。

愛称に込められた意味が深くなるのは、7000形に設定されたLuxury Super Expressからでした。
豪華という意味でLSEとされたわけですが、現代の豪華特急のようなものとはニュアンスが異なり、全体的な雰囲気がそうであるといった意味付けだったようにも思います。

SEから続く流れにちょっとした変化があったのは、High Super Expressとされた10000形でした。
略称としてはHiSEとされ、頭の2文字が使われています。
Highには複数の意味が込められており、ハイデッカー、ハイグレード、ハイパフォーマンス等とされました。

パステルカラーが印象的だった20000形については、Resort Super Expressとされています。
JR東海の御殿場線に乗り入れ、行楽地を目指す車両として登場した意気込みが感じられます。
皮肉な背景もあるように感じており、仕様上は小田急史上で最も豪華な車両だったことから、このような抽象的な愛称に落ち着いたのかもしれません。

30000形から70000形までの愛称

SE以降のロマンスカーにおいて、唯一Super Expressを含まない愛称となったのが30000形でした。
愛称はExcellent Expressとされており、優秀な特急といった意味になるのでしょうが、Superを外した意図については気になるところです。
ロマンスカーの現実に対応したことで、様々な議論を呼んだ車両ではありましたが、その後の活躍を見れば、確かに優秀な車両といえるのではないでしょうか。

惜しまれつつ引退した50000形については、Vault Super Expressとされました。
これは天井の形状に由来するもので、かまぼこのようなアーチを描き、印象的な車内を演出しています。

続いて登場した60000形は、Multi Super Expressという愛称を採用しました。
文字どおりマルチな活躍をする車両であり、多彩な運行が可能であることを意味しています。
地下鉄を意味するMetroの頭文字もMであり、そのあたりも意識していたのかは気になるところです。

現在の最新型である70000形は、Graceful Super Expressとされました。
これは優雅なという意味であり、車両のイメージに合わせて付けられています。

おわりに

歴代の愛称を見ていくと、それ自体がロマンスカーの歴史へと通じていることが分かります。
この流れを続けるのは、さすがに苦しくなってきているようにも感じますが、開発が進められている新型車両はどういう選択をするのでしょうね。