電車を走らせるための設備として、身近に見ることができる架線。
鉄道においては架空電車線が正式名称ですが、一般的には架線として知られています。

あまり意識して見ることはないと思いますが、小田急には架線が2本となっている区間があります。
近年は減少して1本になる区間も散見されていますが、なぜ2本になっているのでしょうか。

2本の架線を使うツインシンプルカテナリー式

小田急には、2本の架線が並行している区間があります。
支線では見られないもので、小田原線の一部の区間でのみ採用されています。

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普段は注目するような部分ではないと思いますが、架線が2本になってるのが分かるでしょうか。
この方式のことをツインシンプルカテナリー式といい、小田急以外でも見ることができます。

そもそも鉄道で多く用いられているのは、吊架線からトロリー線を吊るしたもので、これをシンプルカテナリー式といいます。
それを2本並べているのがツインシンプルカテナリー式で、パンタグラフが架線から離れにくくなることから、安定して電力を供給することが可能です。
このような特性から、高速での運転や列車密度が高い区間に適しています。

減少しつつあるツインシンプルカテナリー式

小田急で2本の架線を見ることができるのは、新宿駅から相模大野駅付近にかけての区間です。
しかし、複々線区間は最初から1本とされ、事業の進展により少しずつ数を減らしてきました。

複々線区間以外では、架線が2本のままとなっていましたが、近年は代々木八幡駅や百合ヶ丘駅付近が1本となる等、シンプルカテナリー式への移行が進んでいるようです。
ツインシンプルカテナリー式には、コストがかかるという欠点がありますが、シンプルカテナリー式の改良が進んだことで、1本の架線で電力を安定供給することが可能となっています。

小田急における2本の架線は、1980年代頃には見られるようになっており、1990年頃には新宿駅から相模大野駅付近まで、その後相武台前駅付近までに延長されていました。
当時は相模大野駅までが10両という列車が多かったため、このような結果になったものとみられます。

広報誌等においても、ツインシンプルカテナリー式のことが書かれており、メリットが強調されていました。
相武台前駅付近から先は、その後も2本の架線となることはなかったようで、1本で十分という結論になったのでしょうね。

おわりに

一気に減っているわけではなさそうですが、2本の架線は徐々に見られなくなってきました。
最終的にはなくなってしまう可能性が高いですが、これもまた時代の変化といえそうです。