1991年から2012年まで、小田急とJR東海が相互直通運転を行っていたあさぎり号。
現在は小田急からの片乗り入れに戻り、列車の愛称はふじさん号へと変更されています。

相互直通運転を行っていた当時、小田急は20000形(RSE)を、JR東海は371系を運用していましたが、どちらも最低限の編成数でした。
少数派の形式であるためか、どちらも堅実な足回りを採用しています。

合計で3編成のみの乗り入れ用車両

小田急の3000形(SE)を使用していた乗り入れは、1991年から相互直通運転へと発展しました。
両社が相互直通運転用の車両を造り、小田急が2編成、JR東海が1編成を用意し、小田急側が予備車を持つこととなります。

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小田急が用意したRSEは、従来のロマンスカーとは異なる7両編成のボギー車で、パステルカラーの車体が特徴的です。
ダブルデッカーを組み込んでいるのは371系と共通ですが、独自の仕様としてハイデッカーを採用しています。

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JR東海が製造した371系も、中間にダブルデッカーを組み込んだ7両編成です。
RSEとは異なり、ハイデッカーは採用されていませんが、新幹線を思わせるカラーリングが目立つ車両でした。

従来車と合わせられた両形式の足回り

基本仕様を合わせつつ、各社の個性を盛り込んだ車両となったあさぎり号ですが、足回りについては異なるものが採用されています。
一方で、自社の従来車と合わせられているという特徴があり、どちらも堅実な足回りとされました。

RSEについては、10000形(HiSE)と同じモーターが採用され、制御装置もほぼ同様となっています。
これらは7000形(LSE)から続いてきた流れで、基本的な部分の統一が図られました。
JR東海への乗り入れに伴い、小田急線内とは走行条件が異なることから、細部の仕様には違いもありますが、基本はHiSEに合わせたものとされています。

1編成だけの在籍となる371系についても、モーターや制御装置は従来車と合わせられました。
JR東海の211系や213系、311系等と同様の機器を採用しており、特急車ながら仕様が合わせられています。
この時期の標準的な仕様となっており、攻めた見た目とは裏腹に足回りは堅実な車両でした。

おわりに

相互直通運転に合わせ、かなり豪華な仕様とされた両社の車両。
見た目や車内の攻めた設計の裏には、堅実な足回りの存在があったのが面白いですね。