千代田線への乗り入れ用車両として、1972年に登場した小田急の9000形。
4両と6両を繋いで10両を組み、1978年より千代田線内へと乗り入れるようになりました。

20260404_02

地下鉄線内を走行する関係で、小田急の中では特殊な通勤型車両となった9000形ですが、どのような点で異質だったのでしょうか。

千代田線への乗り入れ用として登場した9000形

5000形の増備を中断し、1972年に9000形がデビューしました。
当時の小田急は、ほぼ同じ顔の車両ばかりが走る路線でしたが、9000形は全く異なる斬新な前面デザインを採用し、乗り入れ先の6000系に負けない存在感を誇ることとなります。

先行して4両編成を造った9000形でしたが、営業運転の開始当初は千代田線への乗り入れが始まっておらず、5000形等と同様に小田急線内で運用されました。
当時の急行は8両編成が最大であり、9000形も充当されることとなります。

本来の目的である乗り入れ用として使われるようになったのは、デビューから6年が経過した1978年のことでした。
9000形は最終的に4両と6両が9本ずつとなり、千代田線への乗り入れを中心とはしましたが、運用数に対して在籍両数が多かったため、他の列車でも日常的に見ることができました。

同時期の車両と様々な点が異なった9000形

前面デザインの相違により、通勤型車両の中では目立つ存在となった9000形ですが、8000形以降の車両が登場して以降も、小田急の中では異質な存在でした。
地下鉄に乗り入れるという特殊な条件により、特異な点が多かったことによるものですが、改めて面白い車両だったように思います。

見た目の面では、5000形の6両編成と似たような側面をしていながら、どこか違うというのが目立っていました。
側面の窓は他の車両よりも5cm高く、帯との間隔が開いた腰高な印象であり、台座がない側灯も独特だったように思います。

屋根上に5基の冷房装置を搭載した車両において、先頭車の配置が大きく異なるのも9000形の特徴で、列車無線のアンテナが最前部にないことも加わり、際立つ個性を持っていました。
配置の相違は制御電動車であることに起因し、先頭車にもパンタグラフを搭載するためで、他の車両と同じにはできなかったという面もあります。
10両で8M2Tという電動車比率の高い設計で、4両は全ての車両が電動車という珍しさだけではなく、6両は中間に2両の付随車が挟まるという点でも、唯一無二の存在でした。

電動車比率が高い分、モーターの出力は低めとなっており、それが理由か走行音も他の車両とは異なるのが特徴です。
低速域はとにかく静かで、スピードが出てくると比較的低い音が目立つため、高音が目立つ小田急の中では珍しいものでした。
見た目も走りも他の車両とは違っており、個性が際立つ存在だったように思います。

おわりに

その特徴的な存在感から、ファンも多かったといわれる9000形。
現在も先頭車が保存されていますが、人目に振れる機会がほとんどないのが残念でなりません。