集約分散式の冷房装置を基本としてきた小田急は、3000形から集中式の採用に踏み切りました。
小田急の車両史において、3000形は様々な面で変化した形式ではありますが、集中式の採用には車両が標準化されていく流れを強く感じたものです。

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現代においては、集中式が冷房装置の基本となっている印象ですが、小田急が採用したのは遅かったのでしょうか。

3000形から採用された集中式のクーラー

2001年に竣功した3000形は、小田急で最初に集中式の冷房装置を採用しました。
長く集約分散式を使用してきた小田急が、集中式のクーラーを採用したことはインパクトがあり、外見の大胆な変化も含めて驚いたことを覚えています。

2400形のクハ2478を改造し、1968年から冷房車両の試験が始まりましたが、その際に採用したのが集約分散式でした。
量産化は1971年に登場した5000形の5059Fからで、やはり集約分散式を採用しています。

キセが連続型になるといった変化はありましたが、ロマンスカーも含めて小田急はその後も集約分散式を採用し続けました。
通勤型車両においては、2000形まで集約分散式の採用が続き、3000形でついに途絶えたといった流れになっています。
クハ2478が改造された時から、33年を経て集中式へと移行したことになります。

関東の大手私鉄が集中式のクーラーを採用した時期

集中式の採用が遅かった印象がある小田急ですが、実際にはどうだったのでしょうか。
いつもどおり、関東の大手私鉄について調査をしていきますが、現在は全社が集中式を基本としています。

関東の大手私鉄において、通勤型車両が集中式のクーラーを初採用した年は以下のとおりです。

京王:1968年
京成:2002年
京浜急行:1971年
相模鉄道:1971年
西武:1972年
東急:1999年
東京メトロ:1988
東武:2004年

結果を見ると傾向は明らかで、初期の段階で集中式を採用した会社と、2000年前後に移行したケースとに分かれました。
車両の標準化が進み始めた時期でもあり、集中式への移行は必然だったのかもしれません。
各社の経緯についても調べてみたところ、思っていた以上に面白い結果だったので、ここからはそれらについても触れていきたいと思います。

まず、基本的に集中式を採用し続けているのは、西武と相鉄です。
西武は101系の試験段階で集約分散式の採用がありますが、量産化以降は集中式となりました。
試作段階から集中式だったのが相鉄ですが、9000系でなぜか集約分散式の採用事例があります。
サステナ車両の導入により、結果的に西武が集約分散式の車両を保有することになったのも、なかなか興味深いところです。

混在から集中式に早期移行したのは、京王と京急でした。
京王は分散式、集約分散式と使い分けしつつ、やがて集中式に統一されていきます。
京急についても同様で、改造車を中心に集約分散式を混在させつつ、集中式へとまとまっていきました。

小田急と同じ流れだったのは、京成、東武、東急でした。
集約分散式を基本としていた会社ですが、2000年前後に集中式へと移行しています。
京成と東武は過渡期のような時期があり、大容量化により搭載する台数自体は減っていました。

例外としては東京メトロがあげられると思います。
銀座線等の特殊な車両を除くと、冷房車の登場自体が遅かったこともあってか、集中式が基本となっています。
しかし、簡易的な改造となった5000系は集約分散式で、改造のしやすさという長所が活かされていました。

おわりに

調べてみると、やはり小田急が集中式を採用した時期は遅かったものの、標準化が進む時期の後発組だったということになるのだと思います。
各社で様々な経緯を辿っていますが、結果として集中式にまとまっていったことも分かりました。