千代田線を間に挟み、相互直通運転を行っている小田急とJR東日本の常磐緩行線。
3社の路線を走れるのは、長らく東京メトロの車両のみという時期が続きましたが、2016年以降は小田急とJR東日本の車両もお互いに走れるようになりました。

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ほぼ一体的に運用される千代田線と常磐緩行線に対して、小田急は種別や行先が多岐に渡ります。
車両の走行距離調整が大変そうですが、どのような苦労があるのでしょうか。

3社の中で走行距離が異なる小田急

相互直通運転という取り組みにおいては、自社で所有しない車両が走行するという事象が発生します。
他社の車両を借りて、自社線内を走らせているような状態ということになるため、ここで車両使用料という考え方が出てきます。

一般的には、お互いの車両が走行する距離を揃え、相殺する対応が行われており、千代田線系統の相互直通運転においても同じであると考えられます。
しかし、代々木上原駅から我孫子駅までを基本として、一体的に運用される千代田線と常磐緩行線に対して、小田急は行先が多様であり、走行距離の計算は単純ではありません。

実際にはどのような違いがあるのか、まずは区間ごとの距離を確認してみたいと思います。

【千代田線】
代々木上原~綾瀬:21.9km

【常磐緩行線】
綾瀬~我孫子:23.6km

【小田急】
代々木上原~成城学園前:8.1km
代々木上原~向ヶ丘遊園:12.3km
代々木上原~唐木田:28.6km
代々木上原~伊勢原:48.7km

結果はこのようになり、千代田線と常磐緩行線は比較的距離が近しいのに対して、小田急は差があることが分かります。
向ヶ丘遊園駅までだと短く、それ以外だと長い、そういった距離になっていました。

走行距離調整に寄与する短距離走行の列車

小田急と千代田線の相互直通運転は、本厚木駅までの準急でスタートしました。
代々木上原駅から本厚木駅までは41.9kmで、千代田線内の走行距離とは、2倍近い開きがあったことになります。

走行距離の差を埋めるため、小田急の車両が千代田線内を往復し、他社の路線ばかりを走るという運用が組まれていました。
このような運用は現在も行われていますが、常磐緩行線においては単純にできないという苦しさがあります。

常磐緩行線は千代田線とほぼ一体化しているため、線内を折り返すという運用が基本的には行われていません。
つまり、小田急の車両が常磐緩行線内を往復することはできず、どうしても代々木上原駅まで走る必要が生じてしまうのです。
結果的に千代田線内の走行距離が長くなるため、シンプルな運用にはしにくくなっています。

小田急は郊外が発展しており、比較的長距離の利用者が多いという特徴があります。
そういった需要に合わせ、伊勢原駅まで走る列車が設定されていますが、他社の倍以上の距離を走ることになってしまうのです。

そういった部分をカバーしているのが、成城学園前駅や向ヶ丘遊園駅までしか走らない列車であり、調整弁としての役割もあるのでしょう。
正直なところ、走る距離が中途半端であることは否めませんが、そうせざるを得ない面もあるのだと思います。
新百合ヶ丘駅ぐらいまで来られるとよいのでしょうが、一気に距離が長くなることや、線路容量や折り返しの関係で難しいのでしょうね。

おわりに

相互直通運転が始まった当初から、走行距離の差に対する対応が続けられてきました。
本数の増加によって行先は多様化しましたが、裏には様々な苦労がありそうです。