2026年3月に50000形(VSE)を加え、現在は7形式を展示している小田急のロマンスカーミュージアム。
スペースの関係で、これ以上の車両を展示するのは難しそうですが、VSEの追加をもって完成ということなのかもしれません。

VSEが既に入ったことに驚きますが、展示車両全体では古い車両に偏っているのが実情です。
鉄道が好きなファン層や子供は、現役車両に興味があることが多いですが、今後発生するこの問題を考えてみたいと思います。

古い車両が中心のロマンスカーミュージアム

ロマンスカーを中心に、多くの車両を展示するロマンスカーミュージアムですが、古い車両の比率は高めです。
博物館といった要素を踏まえれば、それ自体は当たり前のことではありますが、鉄道が好きな層の志向性を踏まえると、今後については少々不安がある要素といえるでしょう。

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10000形(HiSE)や20000形(RSE)はそこまで古くはありませんが、どちらかというと現役を引退してからの年数で考える必要があります。
VSEを別にした場合、多くの車両が引退から10年以上を経過しており、現役時代を知る年齢層はやや高めとなってしまうのです。

現役車両が引退した年をまとめると、以下のとおりとなります。

1形:1959年
3000形(SE):1992年
3100形(NSE):1999年(ゆめ70を除く)
7000形(LSE):2018年
10000形(HiSE):2012年
20000形(RSE):2012年
50000形(VSE):2023年

まだまだ新しいように感じる部分もありますが、若い世代になればなるほど、走っていた姿を見たことがない、印象に残っていないということになります。
幼い子供にとってはより一層その傾向が強くなり、そういった面ではVSEが果たす役割は大きいといえるでしょう。

検討してほしい現役車両を活用する方向性

引退してから時間が経つほど、集客力が弱まるという問題は、ロマンスカーミュージアムに限った問題ではありません。
同様の施設は似たような問題を抱えており、近年はそこに対するアプローチも目立ち始めました。

分かりやすい事例としては、まだ現役であるE5系のモックアップをわざわざ新造し、展示車両に加えた鉄道博物館でしょうか。
歴史的にも重要な車両であるためとされていますが、現役車両の展示による集客強化というのも、背景にあると考えられます。
東武の8000系を特別に展示したりと、新しい取り組みも目立ってきました。

新幹線を中心に展示するリニア・鉄道館では、適宜車両の入れ替えを行っています。
展示が終了するという面ではデメリットもありますが、新鮮さを維持できるという点でのメリットは大きいのでしょう。

定常的な施設ではありませんが、2027年国際園芸博覧会でも似たような事例が発生します。
SOTETSU PARK内において、新造した13000系の展示が予定されており、これもあえての現役車両といえそうです。

ロマンスカーミュージアムにおいては、海老名検車区が隣接しているという利点を活かせていないことが気になります。
車庫で沢山の車両が休んではいるものの、それを近くで眺めることはできません。
屋上には展望台が設けられていますが、車両がそこまで見やすいわけではなく、少々もったいないようにも感じます。

安全上の課題は色々とありそうですが、留置線を施設の近くに設置し、間近で車両を見られるようにするといったことができれば、現役車両を集客のために活用することができるのではないでしょうか。
日によって車両が変わったりすれば、それこそリピーターの獲得にも繋がりそうです。
VSEでの集客も徐々に落ち着くでしょうから、先を見据えた対応が今後は重要になってくるように思いました。

おわりに

長く施設の運営を続けていくために、入場者をどう確保していくのかという点は、今後さらに重要になってくることでしょう。
VSEの収蔵によって完成状態になった今だからこそ、先を見据えた動きに繋がっていくことを期待しています。