複々線化に合わせて地下化され、雰囲気が一変した小田急の成城学園前駅。
高架と地下を行き来する付近一帯は、元々の地形を活かして上手にまとめられた区間となっています。

現在の姿からは少し想像しにくいですが、成城学園前駅から喜多見駅にかけては、急勾配が存在していました。

成城学園前駅から喜多見駅間の急勾配

現在は地下駅となった成城学園前駅ですが、2000年代の初期まで線路は地上にありました。
向ヶ丘遊園駅のような2面4線となっており、各駅停車が優等列車の待避を行う光景が日常だったことを思い出します。

もう一つ印象的だったのは、成城学園前駅から喜多見駅間にかけての急勾配で、駅に隣接する踏切を抜けると、下り列車はスピードを一気に上げていきました。
上り列車の場合は逆であり、喜多見駅を出て少しすると、成城学園前駅までひたすら上り勾配となります。

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成城学園前駅が地下、喜多見駅が高架となり、現在はジェットコースターのように上下する特徴的な区間へと変化しています。
喜多見検車区への線路と立体交差をするためですが、かつての雰囲気を少し感じることができます。

連続する勾配という面での面影はなくなりましたが、今も駅間の高低差は残っています。
成城学園前駅の標高が43m程度なのに対して、喜多見駅は23mぐらいとなっており、僅か1kmほどの駅間としてはかなりの高低差です。

国分寺崖線によって生まれた急勾配

地域一帯が発展し、住宅地として開発が行われたため分かりにくくなりましたが、成城学園前駅付近にはなぜ急勾配があったのでしょうか。
その背景には、長い年月をかけて形成された地形が関係しており、線路を敷くにあたっての急勾配を生み出しました。

成城学園前駅から喜多見駅の間には、立川市から大田区付近まで連なる国分寺崖線が通っています。
国分寺崖線というとイメージしにくいですが、長く続く崖と表現すれば分かりやすいでしょうか。
延長は約30kmといわれており、その崖と小田急の線路が交差しているということになります。

小田急は和泉多摩川駅の先で多摩川を渡り、神奈川県内の登戸駅に到着します。
その多摩川が長い年月の中で武蔵野台地を削り、河岸段丘と呼ばれる階段状の地形を生み出しました。

複々線化が行われる以前は、崖を切り取ったように線路が通されており、ここが国分寺崖線だというのが分かりやすい状態でしたが、現在はトンネルの出入口や線路の交差により認識しにくくなっています。
線路沿いに多くの緑が見えるのが、過去を今に伝えているといったところでしょうか。

おわりに

比較的地形に沿って線路が敷かれた小田急ですが、連なる崖は迂回することもできず、そのまま交差するしかなかったようにも見えます。
成城学園前駅の地下化は、その地形を上手に活かしたものといえそうです。